ユルゲン・クロップ監督は、チームに対し、日曜日にエヴァートンを1-0で下しFAカップ4回戦進出を掴みとった「驚くほど素晴らしいパフォーマンス」を誇りに思ってほしいと伝えた。

監督は前回の試合のスターティングメンバーから9人を入れ替え、そのラインナップにはリヴァプールデビューを果たすこととなる南野拓実選手とナサニエル・フィリップス選手も含まれた。また、ジェームズ・ミルナー選手が試合開始早々の筋肉系の怪我による交代を余儀なくされ、代わったヤセル・ラローチ選手がトップチーム初出場を果たした。

しかし、果敢なそして自信に満ちたチームのプレーは後に報われる。カーティス・ジョーンズ選手の放った抜群の巻いたシュートがゴールの隅をとらえ、これがブルーズを退ける決定打となった。

試合後の記者会見でクロップ監督は、若い選手たちがこういった舞台にステップアップしていくのを見て喜びと誇りの入り混じった感情を抱いたと明らかにした。会見の概要は以下のとおり。

リヴァプールのパフォーマンスについて

ネガティブなことから話そう。先日のゲームに出場した2選手を先発させ、そのうちの1人が負傷してしまった。これが我々の今の状況で、だからこそ、多くの監督が多くの選手を入れ替えて起用する。この変更はカップ戦だからではなく、タイミングによるものだ。

その他の点については、実にパーフェクトだったと言わざるを得ないね。このような舞台でプレイするのが初めての選手も多く経験も少ないチームが、この観衆の前でライバルを相手に驚くほど素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた。非常に優れていたし、とても気に入ったよ。試合の前半も後半も良かった。前半は少し荒っぽいものになったが、これは至って普通のことだ。我々の信念にリスペクトを示そうとすれば、試合も少々激しくなるだろう。だが、多くの場面で素晴らしいパフォーマンスをしていたよ。ディフェンス、組織力、そしてプレッシング、ゲーゲンプレッシングは本当に最高だった。そして、あのゴールが生まれた。

3つのビッグチャンスがあったね。アドリアンは本当に卓越していた。そしてジョーンズのあのゴールだ。多くの場面で、たとえ相手にとってチャンスの場面でも、我々は試合を支配していた。ボールを失ったりパスミスをしたりしたときもあったが、ミスは起こりうる。もちろん良いことではないが起こりうるものだ。それゆえに、我々のフォーメーションはワイドになっていた。それについてはよかった。個々のパフォーマンスも優れていた。

ジョーンズ選手の決勝点について

最高に気に入った。ただひとつ言っておかなければならないことがある、というのも今夜のゲームにはとても多くの素晴らしいパフォーマンスがあったのに、皆は私にカーティス・ジョーンズのことだけを質問するからだ。ゴールは卓越していて、彼は特に際立っていた選手だ。だが、なぜこれまでに誰もペドロ・チリベジァやネコ・ウィリアムス、ヤセル・ラローチについて質問してこないのか私にはわからない。これが、我々が彼らに示したいなのか?得点を決めないと注目されないということだろうか?

カーティスについて話そう。信じられないほどいい選手で、リヴァプール出身、自信に溢れていてファーストチームでプレイするのを待ちきれないよ。よかった、まさしくそうだ。彼はいい状態にある。3年半前から彼のことを見ているが、大きなステップを歩んでいる。このままいけば、チームの一員になるだろう。100パーセントだ。彼があのゴールを決めたことについては特に驚いてはいない。彼はあの状況に相応しかったし、これからも多くを学び、成長し続けるだろう。しかしながら、彼が18歳であることをトレーニング中に忘れるときがあるね。信じられないよ。ドイツだったら違うシステムだから、ずっとユースチームでプレイして、他ではプレイできなかっただろうね。ここだったらファーストチームの可能性もある。今夜起用した選手たちが様々なやり方でエヴァートンを困らせたのはよかったことだ。素晴らしかった、本当に素晴らしい。

アンフィールドの雰囲気の影響について

今夜はいつもと違った雰囲気だったね、だけど試合が良い流れになっていなかったら、正直なところ、私はそれについて何か話す必要があっただろう。だが今日は、もちろん、最高の夜だ。我々はそれに慣れてしまうことはないし、当然のこととは到底思わないが、最高にセンセーショナルだった。ラインナップについてどう思ったか、私やFAカップ、ノーリスペクト、そして試合内容に関して何か悪いことを感じたりしなかったか、聞いたみたいとは思う。試合後の反応も気になるところだ。私はどの瞬間も楽しんだよ。少し(リーグカップの)アーセナル戦みたいだったね。とても楽しんだ。今回は多くのゴールを許すことはなかったが、いくつかの点では似ていた。

これはとても重要なメッセージだ:リヴァプールの一員になりたいなら、クラブの信念を尊重することだ。我々は常に世界最高のフットボールができるわけではないが、我々が望めば他の誰も真似できないような試合をすることができる。そして信念を貫く限り、我々は難しい対戦相手になりうる。我々のサポーターにとってもほぼ同じことだ;リヴァプールサポーターでありたければ、常に最も高いレベルでやる必要はないが、持てる全てを出し切って戦わなければならない。それはつまり出せるだけの大声で声援を送るということだ。そしてこれこそ、このホームでの3連戦をつうじてみんながやってきたことだ。とても満足している。これこそがシーズン終了時に何かを掴み取るためにしなければならないことだ。

とても良かった、とても優れていた – 南野選手のデビュー戦についてクロップ監督の談話

カラバオカップの対アストン・ヴィラ戦が今回のエヴァートン戦に出場した若手にどのように好影響を与えたか

アストン・ヴィラとの試合の時はファーストチームで多くの怪我人を抱えていたときで、若い選手もカタールに連れて行く必要があった。そうでなければ彼らはアストン・ヴィラとの試合でプレイしていただろう。ハーヴェイがアストン・ヴィラ戦でプレイした一方で、ネコとカーティスは我々とともにカタールにいたが、そうでなければ彼らも出場していただろう。出場したペドロはアストン・ビラとの前半においてピッチ上でベストのプレイヤーだったように思う。我々はそれをカタールからテレビで観て、とても喜ばしかったよ。それがとても重要なことだ。そのような出場機会を与えられるのは大事なことだ。

選手たちにはよく、最初からローンに出ることは全員にとって大事というわけではないと伝え続けている、なぜなら、ここでも何か学ぶことができるからだ。今夜、選手たちが準備を着実に進めてくれていたことに非常に満足している。リヴァプールというチームがどのようにプレイするのかを学ぶのは、非常に大切なことだ。試合に出場することは大事だが、我々の戦い方を知ることもまた大事だ。今夜の試合についてはとても誇りに思っている、そして選手たちにも今夜のパフォーマンスを誇りに思うべきだと伝えた。素晴らしかった。