日曜日のFAカップ3回戦、リヴァプール出身の10代カーティス・ジョーンズ選手による衝撃的な自身初ゴールによって、リヴァプールはライバルであるエヴァートンを1-0で下した。

ユルゲン・クロップ監督は数日前のプレミアリーグでシェフィールド・ユナイテッドを退けたメンバーから9人を変更した。このフレッシュな顔触れのチームは、71分にジョーンズ選手のゴールの隅をとらえるシュートが決まったことで、アンフィールドでの目的を達成した。

ここでは245回目を数えたマージーサイド・ダービーから注目すべき5つのポイントを取り上げる。

新星

20ヤードの距離から放ったジョーンズ選手のシュートが綺麗な弧を描き、エヴァートンGKジョーダン・ピックフォード選手の頭上を越えて決まった。このゴールが日曜日の勝利を決定づけ、彼を称える声はイギリスの新聞のすべての裏ページに掲載された。

そのゴールにより、ジョーンズ選手はロビー・ファウラー以来となるマージーサイド・ダービーでのリヴァプール最年少ゴールスコアラー(18歳と340日)となった。試合後、彼は「最高だ」と振り返った。

ユースで今季13ゴールをあげているジョーンズ選手は、シーズン2度目のトップチーム先発のチャンスを掴むと、体調不良を乗り越え、アンフィールドで記憶に残るプレーをみせつけた。

そのセンセーショナルなゴール以外にも触れておくべきスタッツがある。その自信に溢れたフォワードの多才なプレーは、敵陣での96.4%というパス成功率をもってチームを引っ張り、3つの大きなチャンスを創出した。

危なげないセービング

ピッチの反対側では、アリソン選手に代わって出場したリヴァプールGKアドリアン選手がエヴァートンの得点を阻む3つの決定的なセーブを披露した。

この33歳のスペイン人選手は8月にレッズに加入。UEFAスーパーカップ決勝のPK戦での英雄となってからはすでに人気選手であり、これまでもいくつかのファインセーブでファンを喜ばせている。

メイソン・ホルゲート選手の近距離からのヘディングをストップしたものが、おそらくベストセーブであった。このおかげでエヴァートンが猛攻をしかけていた時も、リヴァプールはダービーの序盤に試合を作ることができた。

アドリアン選手のおかげでチームが落ち着きを取り戻すと、リヴァプールは徐々に試合を支配するようになった。レッズは5試合連続でクリーンシートを達成したのは彼のおかげとも言えるだろう。

南野選手への注目

ホームのファンたちの前でレッズに新しく加入した南野拓実選手がお披露目された。クロップ監督が、エヴァートン相手のこの試合で70分間の出場時間をこの日本代表選手に与えたのだ。

「前線のスリートップのどこででもプレーすることができる」とクロップ監督は試合前にコメントした。そして、リヴァプールの背番号18はスリートップの中央に配置された。

南野選手の平均ポジションデータとヒートマップ

両ウイングに入ったディヴォック・オリギ選手とハーヴェイ・エリオット選手のサポートを受けながら、南野選手は33回のボールタッチと86.4%のパス成功率を記録し、リヴァプールの一員として期待の持てるスタートを切った。

前所属のザルツブルクではサイドの一角で起用されることが多かった。オーストリア時代には199試合で64ゴール44アシストを記録している。

初出場を果たした選手たちと選手層の厚み

日曜日にデビューした選手は南野選手だけではない。リヴァプールの若きスターであるナサニエル・フィリップス選手とヤセル・ラローチ選手もまた今後の競争の激化を予感させるデビューを果たした。

ドイツ・ブンデスリーガ2部シュトゥットガルトで11試合を経験したのちローンから復帰したセンターバックのフィリップス選手も先発出場を果たした。一方、ラローチ選手は前半9分に負傷したジェームズ・ミルナー選手に代わってピッチに投入された。

サイドで印象的だった18歳の右サイドバック、ネコ・ウィリアムス選手や16歳のウインガー、エリオット選手も含め、クロップ監督のもとには必要に応じてすぐに起用が可能な才能ある若手選手が多く控えているようだ。

ダービーとボス

日曜日、監督はちょっとした歴史も作った。クロップ監督はリヴァプールの伝説的な監督であったボブ・ペイズリー氏の持つダービー連続不敗記録に並んだのだ。

クロップ監督は2015年10月にレッズの監督に就任して以降、エヴァートンと10回対戦しているが、未だに敗戦を喫してはいない。ダービーでの対戦成績は7勝3分である。

これは、リヴァプールで監督としてのキャリアスタート後、ほとんどのダービーマッチで負けていないペイズリー氏のクラブ記録と重なる。

また、クロップ監督率いる今季のチームは、1986-87シーズンぶりに、同一シーズンにアンフィールドでエヴァートンを2度破ったチームとなった。