トレント・アレクサンダー=アーノルド選手はリヴァプール出身の選手としてチームにいることの責任を真摯に受け止めている。

21歳ですでにチャンピオンズリーグ、UEFA スーパーカップ、FIFA クラブワールドカップを制している右サイドバックは、サポーターからの独自の応援歌も獲得している。

それはアレクサンダー=アーノルド選手に対しての尊敬の証だ。しかし、同じようにピッチに立った時は、義務があると彼は感じている。

「それは間違いなく私の人生の中で最も誇れる瞬間だった」とこの背番号66は、初めてスタンドから応援歌を聞いた時の心境についてGQのインタビューに答えた。

「それは私がとても誇りに思っていることであり、それと同様に責任も伴っていると思う。私はそれを当たり前だと思っていない。なぜならそれを実行するのは難しいと知っているからだ。」

「おそらく、スタジアムにいる全員の夢が、自分の地元チームの一員になること。そして、そのチームを応援しながら成長したファンの1人として、その夢を叶えることだろう」

アレクサンダー=アーノルド選手は次のように続けて答えた。「リヴァプール出身の選手でいられることはとても光栄に思う。自分が成し遂げられることの中でもおそらく最高のものだ」

「誰もが同じ信念、成功への意欲、しっかりとした労働倫理、粘り強さを持っている。信頼しているものに対しする彼らの情熱は、この街にとって大きな意味を持つものだ」

2018-19シーズンのプレミアリーグではディフェンダーとして12アシストを決め、新たな記録を作りあげた。その後、アレクサンダー=アーノルド選手は、コロナウイルスによるリーグ中断までの期間で再び同じ数のアシストを記録した。

2016年10月ユルゲン・クロップ監督の下でデビューして以降、彼は125試合への出場を果たしている。しかし、このイングランド代表DFは、こうした記録の達成は彼のメンタリティに何の影響も与えないように努めている。

「まだすべての力を発揮できていないと思う」とアレクサンダー=アーノルド選手は述べた。

「私は自分のいるべきところに到達していない。それゆえ、自分自身で何かを成し遂げたと記憶していくにはまだ適していないと思っている。改善点がまだたくさんあるからだ」

「成長するにつれて、トップ選手になる兆候は常にあった。しかし、私にとっては、ただすべての試合に臨むだけだった。どの試合でも勝ちたかった」

「『サッカー選手になるために生まれてきた』と思ったことは一度もない。ただ毎日トレーニングをして、勝利を目指し、できる限り競争力のある選手になろうとした」

彼はこのように付け加えた。「チームが勝てるように、できる限りのことをしようとしている」

「個人の栄誉は決してチームの優勝に結びつかない。なぜなら、優勝とは、達成を夢見ながら成長した先のものだからだ。優勝することは、最も価値がありながら、最も難しいことだからだ」

そして、アレクサンダー=アーノルド選手にとって明確なものは、クロップ監督のマネジメントに対する感謝の念だ。

監督を一言で表すなら、と問われた彼は「とてつもない」と答えた。「あらゆる点で彼は完璧だ。彼の人として、また監督としてのマネジメント能力は信じられないほどに素晴らしい」

「実際の彼もテレビ映っている姿のままだよ。彼のインタビューをカメラ越しに見た時でさえ、彼が愛情に溢れる人物だということが伝わってくる。周囲の人々を気遣っていることがわかるんだ」

「彼は家族、選手、そしてスタッフを大事にしている。全員を平等に接するんだ。そして、チームのキャプテンに対しても、若い選手と同じように向き合っている」

「彼はとても感情的で思ったことをストレートに言うと人々は思っているだろう。あながち間違っていないが、彼は周りの人すべてにとって有益になるようちゃんと調整している。彼は適切なタイミングで何を言うべきか、どのトーンで話す必要があるかを理解している」