クロップ監督とコーチ陣によって行われているトレーニングセッションの強度についてジェームズ・ミルナー選手が教えてくれた。さらに驚くべきレベルを保っている自身のフィットネスの裏側に隠されたメンタリティも明かしてくれた。

リヴァプールの副キャプテンであるこの34歳は2019-20シーズンここまで33試合に出場し、プレミアリーグで築いている独走態勢に加え、世界制覇にも大きく貢献した。

現在はCOVID-19の流行によりシーズンは中断されているが、ミルナー選手はBBC Radio 5 Live内で自身の試合出場のキャリアや5年前にレッズに加入してからの経験を語った。

トークはメルウッドでのトレーニングについてや常に高いレベルを維持するための思考法、さらにはチャンピオンズリーグの話題にまで広がり、昨年5月の準決勝・バルセロナ戦での逆転勝利後にリヴァプールの戴冠が絶対条件となったのかについても語った。

トークのハイライトを以下からお楽しみください。

自身の現役生活の長さとフィットネスについて…

運も理由の一つだろう。怪我やその他の部分でも運は必要だと思う。だが私は常に、出場機会を得るためにできることは何でもしてきた。食生活やジムでのトレーニングだ。リーズ時代やニューカッスル時代から取り組んできたことだ。ジムでのメニューは改良も続けてきた。自分を追い込もうとしている。確か5年か6年ほど前のキャリアのはじめの頃は、「トレーニングの強度を下げて、回数とアウトプットも減らした方がキャリアも長く続けられる」と言われていたが、私はその考えには賛成はできなかったんだ。フィジカル面などで必ず衰えるタイミングは来ると思っているが、自分を追い込むことができれば、その衰えのタイミングを先延ばしにできると考えている。もし衰えたとしても中程度からそれ未満のレベルに落ちるのではなく、落ちたとしても平均レベルのどこかに落ち着くことができる。私の狙いはこういうものだ。私は常に自分を追い込み、ランニングなどでは若い選手たちに負けないように心がけているいつかはフィジカルの衰えを感じるタイミングが来るが、それがほんの数年後にならなければいいね。

昨季のチャンピオンズリーグ準決勝・バルセロナ戦について…

カンプ・ノウでは我々にもチャンスはあったし、悪いパフォーマンスではなかった。私自身にもまずまずのチャンスが少なくとも1度はあったのを覚えている。リヴァプールはいいプレーをしたと思う。メッシはメッシらしいプレーをし、フリーキックはとんでもないものだった。難しいと感じた試合の一つだった。そこから我々はその落胆から立ち直り、さらにはリーグタイトルのためにニューカッスルとのアウェイゲームに挑まなければならなかった。我々はさらに大きくなった気持ちとエネルギーを持ってしてニューカッスルとの試合に勝ったんだ。バルサ戦前夜、我々はホテルに滞在していたのだけど、そのときにシティが試合をしていてレスターに勝利した。試合前夜は息抜きをして、それからバルセロナ相手に点差をひっくり返さなければならなかった。全力を尽くしたんだ。翌日午前のトレーニングでグラウンドに集まったとき、監督がミーティングの前にこう言ったんだ。「誰か何か言いたいことはあるか?ない、何もない。そうだ、さあ行こう。限りなく不可能に近いかもしれないが、誰かができることなら我々にもできるさ」

試合についてはパニックになることはなかった。緊張感こそあったものの、試合を通してプラン通りに進められたと感じる。いい試合の入り方ができたし、我々には観衆もついていた。早々にコーナーキックを獲得したときにスタンドから聞こえてきた轟音が凄まじかったのを覚えているよ。ゴールを奪ったあとはまだ熱狂とまではいかなかった。バルセロナは危険なプレーをしていたが、我々も良いディフェンスができた。我々はハーフタイムに修正しなければならなかった。ロボが言うには、彼がリヴァプールの一員としてできたこの試合最大の貢献は、後半頭からベンチに下がり、代わりにジニを出場させたことだ。その瞬間からアンフィールドで勢いをつけることができて複数のゴールも奪った。もともととても特別な試合だったが、バルセロナも経験豊富な選手を揃えた良いチームであり、それがこの試合をさらに特別なものにしたね。バルセロナは、我々がなんとか点差をひっくり返すことができたようなチームなどではなく、経験豊富な選手のいる素晴らしいチームだった。

バルセロナ戦の信じられないような逆転劇の数年前にはヨーロッパリーグでドルトムント相手にも似たような夜を過ごしたよね。そのときは優勝はできなかったけれども。だからバルセロナに逆転して勝つことができたのは優勝できたという意味でとても重要だった。ドルトムント戦の夜を懐かしく思うことができるのは、いい思い出として残っていて、素晴らしい逆転勝利であり、アンフィールドでの素晴らしいヨーロッパレベルの試合だったからであるけれども、最終的にトロフィーを掴むことはできなかった。バルセロナ戦はその試合単体でも素晴らしいストーリーを描けたが、結果として6度目の戴冠をももたらした。素晴らしいことだよ。

個人的にクロップ監督をどう評価しているかについて…

監督はベストではないとしても、しかるべくしてトップの座にいる。彼の行うトレーニングセッションじゃ私がこれまでに経験してきたものとはまったく違った。パス練習やシュート練習においても、すべての練習が次の試合に見合ったもので、どれも惰性ではできないものばかりだ。シュート練習だと、同時に3つか4つのボールが一斉に打たれるんだ。キーパーたちは1本のシュートが打たれたあとの次のシュートをひどく恐れている。別の誰かにボールをさばいているのと同時に他の選手から自分に向かって別のボールが飛んでくるんだ。トレーニングは私がこれまで見てきたものとは全く違う。全体的に次の試合に向けたものになっていて、試合時にもそれが保たれている。彼は試合に影響を与えうるものについて想定することに非常に優れている。また、彼は周りの状況をよく把握していて、チームのパフォーマンスやメンタリティに影響を与えるような芽を常に摘み取ろうとしている。これが試合に向けた準備面において彼が持っている強みだろう。もちろん、彼はすべての試合に向けてチームの準備を整えるという点では素晴らしいコーチですが、同時に最高のパフォーマンスを発揮して、精神的に完全にフレッシュな状態で試合に臨むことを妨げるものについても常に意識しています。

ペピン・リンダースによるハーヴェイ・エリオット選手へのインタビュー全文

Jürgen Klopp: We're not the finished article

Inside Liverpool's lockdown training programme

ミルナー選手が得点した試合ではプレミアリーグで未だに負けなしであることについて…

考えたこともなかったよ!いつもは父親が試合後に話を持ち出すのだけど、私が得点したときには「君の記録はまだ残っているよ」と言うんだ。おそらく、その記録の一番大きな理由は、得点すべきほど多くはゴールを決められていないからだと思う。しかしとんでもない記録だ。理由は説明できない。説明がつかないんだ。