ジョーダン・ヘンダーソン選手は、1年前のこの日にチャンピオンズリーグの優勝トロフィーを掲げた。彼はトロフィーを掲げる前の「ちょっとした足踏み」について、どうリヴァプールのチームメイトが影響をもたらしたかを述べた。

リヴァプールがマドリードでトッテナム・ホットスパーに2-0で勝利し、ヘンダーソン選手はクラブでチャンピオンズリーグ優勝トロフィーを掲げた5人目のキャプテンとなった。

チャンピオンズリーグのトロフィーを掲げる彼の周りで優勝を祝うメンバーの盛り上がりは最骨頂に達した。そして、彼はチームメイトの方を向くとしばらく足踏みをして歴史的瞬間に花を添えた。

UEFAスーパーカップとFIFAクラブワールドカップで優勝した時にもこの祝い方を再び披露したため、ヘンダーソン選手のこうした重要な役割の前の独特なアプローチが結果として彼のトレードマークとなった。

しかし、初めは、スペインでのうだるような夜のドレッシングルームの中で冗談として始まったことが、彼の定義するイメージを変えるきっかけとなった。

「正直、前もって考えていたんじゃないんだ」と1年前のエスタディオ・メトロポリターノでの出来事を振り返った最新のLiverpoolfc.com とのロングインタビューでヘンダーソン選手は答えた。

「ドレッシングルームで冗談を言い合っていて、ロボがふざけて、毎回あの足踏みをしながらトロフィーを掲げる振りをしていたんだ。そしていざトロフィーを掲げるとなった時

みんなと一緒に楽しみたいなって思って、あのロボのおふざけを使うことにしたんだ」  

「私はトロフィーを持ち上げる前に、ただ選手たちの顔を見たかった。実際に掲げる前にチームメイトの顔を見ておきたいと思ったんだ。僕にとって本当に特別なことだったよ。選手に背を向けるのではなく、仲間の顔を見られてね」

「そう、だから即興でやったんだ。チャンピオンズリーグで披露した後、他の大会でもやり続けようってみんなが言ってきたんだ。スーパーカップ やクラブW杯でもね」  

彼は次のように続けている。「多くのひと、特に子どもたちがそれを楽しんでくれたよ。子どもたちがあの足踏みを真似してくれている動画もたくさんあった。だから本当に素晴らしかった」  

「チャンピオンズリーグのトロフィーを掲げるために何かを準備するでもなくただ壇上でトロフィーを掲げたいよね。僕もそう思ったんだ。でも、さっき言ったように、ロボは以前からその動きをふざけてやっていたし、私はトロフィーを掲げる前に選手の顔を見たかったから、真似して良かったと思う。本当に特別な瞬間だった」

数週間にわたる慎重なチーム作り、計画、そして2年連続チャンピオンズリーグ決勝で敗戦を喫しないための準備をしたリヴァプールは、キックオフからわずか22秒でペナルティーを獲得した。

モハメド・サラー選手がPKをしっかり決め、リヴァプールは決勝戦の終盤間際までその1-0のリードを維持した。

スパーズは同点ゴールを目指し、両チームはマドリードの湿度に悩ませれていたが、途中から入ったディヴォック・オリギ選手が、ゴールキーパーが届かない場所へと正確で低いシュートを打ち追加点を決め、チームをプレッシャーから解き放った。

オリギ選手がトッテナムネットの下隅にゴールを決めたことで、ヘンダーソン選手は「あれは試合の中でも大事なゴールで素晴らしい瞬間だった」と感動を口にした。

「もちろん、スパーズの運動量が減って、スペースが増えたことも勝利の要因の1つだと思う」

「しかし、それでもスコアがまだ2-0の場合は、全力を出して、できる限り守りきり、最後のホイッスルが鳴るまでボールを長く保持しようとしていた」

最後のホイッスルが吹かれ、レッズがヨーロッパチャンピオンであることを確認し、ヘンダーソン選手がエムリン・ヒューズ、フィル・トンプソン、グレーム・スーネス、そしてスティーヴン・ジェラードらの足跡を辿るようにヨーロッパチャンピオンのキャプテンになったことは、この上ない喜びである。

その瞬間を「あなたが本当に思いつくあらゆる感情だった」とキャプテンは表現した。「喜び、安堵、幸福、そしてあなたが考えることができるすべてのもの」

「最後のホイッスルを聞いた瞬間は本当に特別なものだった。過去何年にもわたってチームで続けてきたハードワークや全てのことに意味があった。実際にそれをやり続けてきたから、今までで最高のトロフィーを獲得することができた。それは私が夢見ていた以上に素晴らしい瞬間だった」

「その感情は他の何かと比較することはできない。今説明するのはとても難しいよ」

「私がこれまでに経験した中で最高の気持ちだ。言うまでもなく、人々は『まぁ、子どもができた時は』などと言うだろう。これももちろん、世界で最も特別な感覚だけど、それとはまた違っているんだ」

「競争やスポーツに関連することはどれも、子どもができた時とはまた別の感情だよ」

「これはとても特別で、忘れられない素晴らしい感情だ」