ユルゲン・クロップ監督は、リヴァプールからサウサンプトンへのローン移籍が南野拓実選手にとってなぜ長期的に有益だと感じたのか理由を説明している。

レッズのフォワードは、移籍市場最終日の数時間前にクラブとの契約が合意に至り、今シーズン終了まで同じプレミアリーグのチームへ移籍することになった。

本日行われた試合前記者会見で、監督は、なぜクラブが南野選手のセント・メリーズへの移籍を容認したのかと、彼が持っている攻撃のオプションが今回の移籍を容易に決断させたがどうかについて尋ねられた。

「もちろん、他のオプションを持っていることで、他のクラブに選手を移籍させることができる唯一のチャンスにもなる」とクロップ監督は記者団に語った。

「しかし、我々は今回の状況に少し前向きだった。サウサンプトンがオファーを出してきて、我々が『ノー、ノー、移籍させる見込みはないよ』と言ったわけではない。こうした選択肢について考えたよ」

「拓実は信じられないほど素晴らしい選手だが、我々が彼に十分なチャンスを与えることが出来なかったことは事実だ。理由は様々だ。例えば、単に体格が理由になることもある。我々のディフェンスに十分な高さがなく彼が出場できないこともあった。そこで拓実がピッチに立ったとき、「じゃあ、どうすればいいだろう」と思ったこともある。セットプレーの守備は非常に重要な部分だ。選手にとってはあまり興味深いことではないと思うし、ジャーナリストにとってもおそらく興味深いものではないだろう。しかし、ある局面においては、このようなことでさえも、ある選手がプレーしているのに他のある選手はプレーしないといった違いを生むこととなる」

「そしてサウサンプトンがオファーを出してきた。彼をレンタル移籍させることについて理に適ったクラブは多くなかったが、サウサンプトンは違った。彼には現時点で17試合に出場できるチャンスがある。サウサンプトンの状況に拓実がフィットして、全ての試合に出場することが出来れば、みんなの助けになる。それはサウサンプトンと我々の両方の助けになる。なぜなら、拓実に足りなかったものは継続して試合に出ることだけだからね。今シーズンはそれが難しかった」

「私はオプションとしてどうしても彼を残しておきたかった。しかし結局は、今までみんなも拓実のポテンシャルをたくさん見てきただろうけれど、拓実が長期的なプロジェクトであって、常にそうだったように、彼が残りのプレミアリーグ17試合に出場できるチャンスがあることに絶対的な意味がある。そして、新たな思考やさらなる自信といったものを身につけて戻って来るだろう」

「これがお互いにとって有益であることを願う」

続いてクロップ監督は、ラルフ・ハーゼンヒュットル監督率いるセインツとの契約期間中に、南野選手にはどのようなことを期待するのか、という質問を受けた。

「彼はそこでただフットボールを楽しめばいい。彼は素晴らしいプロで、本当に一流の才能を持っており、非常に良い選手だ。全てが素晴らしい」

「しかし、我々のチームには素晴らしい選手が他にもいる。チームとして苦戦したことも沢山あったが、攻撃の部分で苦戦したことはあまりない。私の仕事は、試合の結果を想像して判断を下すことだ。例えば、彼と出場争いをしてきた選手たちは本当に調子が良かった。シャチリが復帰したときは、非常によく見えたし、ディヴォック(・オリギ)に関しても、彼が過去に成し遂げたことを我々は知っている」

「先ほども言った通り、時には体格が違いを生むこともある。そのようなものだよ。タキが試合に先発したり、途中出場することはあまりなかった。それは100%私の責任だ」

「しかし、プレミアリーグで17試合に出場することが、解決策になるのではないかとタキも僕も思っている」

「彼が変わる必要なんてないさ。彼に改善しなければいけない点なんてないんだ。彼はただフットボールをして、そこでリズムと自信を得ることが出来れば、あとは大丈夫だと思う」