人種差別や偏見に基づいた行動は、今もなおフットボール界で問題となっている。残念ながら、リヴァプールFCの男子および女子チームの選手たちも様々な場面において許容できないほどの差別発言を浴びてきた。

  • レッズのキャンペーン「Stop The Hate, Stand Up, Report It(ヘイトを止めよう、立ち向かっていこう、通報しよう)」はファンに対しオンライン上でのヘイト発言の通報を促す
  • クラブは他のフットボール関連諸組織とともに、イギリス時間4月30日(金)15:00からのソーシャルメディア・ボイコットに参加する

ヘイトに対抗するため、レッズは新たなソーシャルメディアでのキャンペーン Stop The Hate, Stand Up, Report It を立ち上げた。このキャンペーンを通じて、ファンがオンライン上での人種差別やヘイト、差別行為などの通報を促していく。

本キャンペーンは、ファンだけでなくコミュニティとしても差別行為の被害者たちを支援し彼らのために立ち向かっていくこと、さらにはそうした差別行為をクラブや関連するソーシャルメディア・プラットフォームに直接通報することによって積極的な行動を促進していくことを目的としている。

これに伴い、LFCは新たに通報のためのオンラインシステムを立ち上げ、オンライン上でのおよび有観客試合再開後のスタジアム内での差別行為を監視していく。同サービスへはこちらのURLよりアクセスが可能だ: liverpoolfc.com/reportabuse 。

クラブに届けられたすべての通報は、検証されたのち、更なる対応のために関連機関へと共有される。クラブは、プレミアリーグ、イングランドサッカー協会、およびその他の関連諸機関と連携し、加害者に対する厳しい対応の必要性を各ソーシャルメディア・プラットフォームへと伝えていく。

リヴァプール・フットボール・クラブのCEOであるビリー・ホーガンは次のように述べている。

「リヴァプール・フットボール・クラブに長年受け継がれてきた伝統は、クラブの成功のために何年にもわたりプレーしてきた才能あふれる選手たちのその多様性のおかげである。地球上の様々な地域からクラブに参加し、様々な国民性や民族性さらには文化に根付いた選手たちがリヴァプールのシャツを身につけてきた様子を目の当たりにでき、私たちは本当に恵まれていた」

「こうした歴史があるにもかかわらず、私たちクラブの選手たちや世界中の選手たちが、今でもなお差別的な行為の被害を受けている。このような行為は、選手自身だけでなく、彼らあるは彼女らの周囲の人々をも傷つけている。また、これはフットボールに限った話ではない。社会の中の誰もこのような行為の被害者となるべきではなく、こうした行為は止められるべきだ。私たちのファンはとても情熱的で、インクルーシブなクラブに前向きで、誰でも受け入れる人たちだと理解している。だからこそ、差別をなくしていくために、私たちに協力していただきたい」

「私たちはみな、差別行為を目の当たりにした際にそれをしっかりと指摘することで、社会の変化を牽引していかないといけない。また、それを通報することで、目に見える行動を起こしていかなければならない。こうした行動は、一切許容することのできない行為への対抗措置となるだけでなく、差別行為の責任を追うべき人間に対し強力な結果をもたらすだろう」

Stop The Hate, Stand Up, Report Itキャンペーンはクラブが長年取り組んできた平等、多様性およびインクルージョンの理念に基づいており、Red Togetherのプラットフォームのもと実施される。こうしたソーシャルメディアでのキャンペーンに加え、LFCのプラットフォーム上でのコンテンツやファンがアンフィールドに戻ってきた際に目にするであろうスタジアム内のイラストなど、クラブは様々な領域での活動を行なっていく。

Stop The Hate, Stand Up, Report It キャンペーンの立ち上げに続き、クラブは、イングランドのフットボール関連諸組織とともに、イギリス時間4月30日(金)15:00から5月3日(月)23:59まで、ソーシャルメディア・ボイコットに参加する。

フェイスブック、インスタグラム、ツイッター、TikTok、LINEといったあらゆるSNSアカウントでの更新を止めることにより、絶え間なく続く選手たちやフットボール関係者へのオンライン上での差別行為に対する断固とした姿勢を他機関と団結したかたちで示すことを目的としている。

さらに、このボイコットは、差別への対抗を通じて人々の知見を高めることの重要性を唱えるだけでなく、ソーシャルメディアの運営会社に対して、オンライン上のヘイト根絶のためにもさらなる対応が必要とされていることを訴える目的がある。

スタンダード・チャータード銀行、ナイキ、カールズバーグ、ニベアメンなどのスポンサー企業も、クラブと団結し、このボイコットに参加することに賛同してくれた。

ホーガンはさらに次のように続けている。

「ソーシャルメディアのボイコットのみでは差別行為の根絶にはつながらないと理解している。しかしながら、オンラインでの差別行為に対抗し、かつ責任を負うべき人間を追及するためにも、ソーシャルメディア運営会社のなる対応を求めプレッシャーをかけることで、私たちがこうした活動に積極的であることを示す方法のひとつではあるのだ」。