フィルジル・ファンダイク選手は、2021-22年に向けたチームメイトとのプレシーズントレーニング開始に向けて、順調に進んでいると自信を持っている。

レッズのディフェンダーは昨年10月に膝を負傷し手術が必要となったため、チームを長らく離脱していたが、彼のリハビリプログラムは最終段階に入ってきた。

術後初めてLiverpoolfc.comのインタビューに応じたファンダイク選手は、7月からの新シーズンに向けての他の選手たちとのトレーニングを前に、サポーターに前向きな報告をしてくれた。

しかし、29歳の選手は、クラブと母国の代表チーム双方にとって大きな意味を持つであろう今後の18ヶ月間に向けて、長期的な視点を優先し、この夏に行われる欧州選手権に出場しないという難しい決断を下した。

怪我をしてから初めて語ったファンダイク選手のインタビューをビデオでご覧ください。また、インタビュー全文も以下よりお読みいただけます。

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久しぶりのインタビューですね。まず初めに、元気に過ごされていましたか?

僕は非常に元気だよ。気持ちは前向きでエネルギーに満ち溢れているし、一生懸命トレーニングしているよ。これまでの道のりはとても厳しいものだったが、今は良い状態にいて、順調に進んでいるよ。

手術を終えて7ヶ月が経ちました。いつ頃からクラブや母国のためにプレーできるのか、誰もが知りたがっていますが、現段階でそのことについてどのようにお考えですか?

あなたが言ったように、7ヶ月前に怪我をして、とてもとても長い道のりになった。これまでのように少しずつ進んでいく必要があったね。リハビリは順調に進んでいて、特に悪化することもなかったよ。ここ最近では、ユーロに出場するかどうかについて決断した。色々なことが起こっている中で、ユーロに行かず、オフシーズン中に最後のリハビリをするというのは、体力的にも正しい判断だったと思う。なので、プレシーズンにクラブとトレーニングすることに集中している。それが現実的な目標だし、楽しみにしているよ。もちろん、ユーロに出場できないことは非常に残念に思うけれど、物事がそうなってしまったのだから、僕はそれを受け入れるしかないね。ユーロに出場しないという決断は、長い目で見て正しい判断だと思う。厳しい決断だったが、僕はそれに満足しているよ。

その点、ユルゲン・クロップ監督は何度も「急ぐことではない」「長期的なキャリアのためだ」と述べられていました。今回の決断やこの決断に至るまでのプロセスにおいて、そのことは頭の中にありましたか?

はい、間違いないよ。僕はもう若くない。もちろん年寄りではないが、かなり成熟してきている。何が良い決断なのか、今ではよく分かっているよ。この決断は間違いなく正しかったと思う。個人的な意見では、少なくともクラブで、そして代表でも、9月から始まる今後の大会への出場を目指していることもあって、重要な1年半を前に、僕の体と膝にもう少し時間を与えたいと思ったんだ。今回の決断の前やリハビリを開始した当初に、このことに関して自分にプレッシャーがかかることは事実として理解していた。誰もが僕ができるだけ早く復帰することを望んでいるが、僕にとって重要なのは、できる限り良い状態で復帰することであり、時間は最も重要なことではない。もちろん、ピッチに戻りたいし、チームメイトを助けたいし、ユーロで母国に貢献したいし、そしてクラブの力になりたい。しかし、もう少し我慢して、オフシーズンにさらにトレーニングを重ね、準備を整えるのが正しいことだと思う。

写真: AXA・トレーニング・センターで最新のリハビリを行うファンダイク選手

あなたはこれまで、キャリアだけでなく人生においても困難を乗り越えてきた人だと思います。今回のリハビリを続けられた理由はなんでしょうか?

良くなると思い続けることだよ。怪我をした当初はかなり落ち込んでいたが、僕の妻と子供たちが僕にとって大きな存在だったし、もちろん今でもそうだよ。しかし、特に怪我の当初は、気分が落ち込んで、家にずっといて、手術を受けて、眠れなくて、そして痛みがずっとあって、世界が突然閉ざされたようだった。非常に厳しい状況だったけれど、妻や子供たち、チームメイト、監督、そしてフィジオなど、全ての人がサポートしてくれた。思い返してみると、世界中から寄せられた応援メッセージや僕が尊敬する選手からの応援メッセージにはとても助けになり、支えになった。これまでのリハビリにも役立ったよ。今はとても良い状態だが、明らかに非常に厳しい状態だったんだ。

今シーズン、クラブには多くの負傷者が出ました。ゴメス選手にマティプ選手、また他の選手が側にいたことはリハビリにどのような影響を与えましたか?

そうだね。多くの怪我に見舞われているね。経験のある選手の怪我が多く、これはどうにもできない。これは、我々にとっても、クラブとしても、そしてシーズンにとって良いことではない。しかし、刺激し合える関係がずっと続くことを願っている。彼らは間違いなく助けてくれるし、我々もお互いで助け合っている。我々はジムにいることが多く、ほぼ毎日同じことをしているから、お互いにエネルギーを高め合っている。お互いのモチベーションを維持するために切磋琢磨しているよ。全員がリハビリの最終段階にいることもあって、トンネルの終わりには光が見えてる状態だよ。みんなピッチで走っていて、お互いに良くなっていて、それが全て助けになるよ。プレシーズンから全員がコンディションを整え、素晴らしいシーズンに向けて取り組んでいきたいと思う。

先程の話にも出てきましたが、クラブのメディカルチームは、あなたにとってどれほど重要な存在ですか?

周りに良いチームがいることは良いことだし、個人としては、僕専属のフィジオとリハビリをしていて、とても支えになった。なぜなら、自分の体にこれだけの投資をして治療することは、とても重要だからね。リハビリが順調に進んでいるのは良いことだし、医師も今の状態に満足している。先ほども述べたが、幸運なことにこれまで怪我は悪化していないし、これからもそうならないことを願っている。だから、前進し続け、懸命にトレーニングし続け、日に日に強くなり、良いコンディションに戻りたいと思っている。

ここ数ヶ月間にソーシャルメディアで投稿された内容を見て、あなたの進歩状況を知ることができました。それらに対するファンの反応は、あなたにとってどれほどの意味がありますか?

もちろん、とても嬉しいよ。毎日進捗を見せることはできないけれど、僕の状況が伝わることはみんなにとってもとても嬉しいことなんだと想像できる。僕のリハビリが順調に進んでいることを保証しないとね。現在の僕はとても強く、リハビリも順調で、ピッチでチームとトレーニングするのが楽しみだよ。今のところ、予定通りみんなとプレシーズンを迎えることができそうだ。僕もそれを目指しているし、できそうな気もするけれど、もちろんサッカーや人生は何が起こるかわからない。でも、気持ちはとても前向きで、準備はできている。そのうち分かるよ。

先ほど、ユーロに出場しないという決断の話がありましたが、夏の間の予定はどうなっているのでしょうか?リハビリは続けるのですか?

そうだね。シーズンは終わるが、僕にとってトレーニングをしないというわけではない。プレシーズンが始まるまで、毎日トレーニングを続けるよ。もちろん、2、3日の休息はあるが、僕は準備したいし、準備のために可能な限りのことをするつもりだ。これは普通のことだよ。僕はそれを楽しみにしている。また陽の光が見えてきて、少し楽になるね。トレーニングを続けるよ、何があっても続ける、それだけは絶対に約束できるよ。全てがポジティブだ。ユーロに行けないことは残念だが、今回は正しい判断だったと思うし、そうだったと思えるようにありたい。

先ほども触れていたように、クラブにとっても母国にとっても大事な18ヶ月になりそうですね。

とても大事だよ。我々は皆、今シーズンがどうなったか知っている。我々全員、そしてリヴァプールファンの皆さんにとっても悔しい思いをしたシーズンになった。個人的なことだけでなく、世界中やサッカー界で起こっていることを考えると、非常に厳しい1年だった。しかし、来シーズンを楽しみにしているよ。ファンと一緒に、そしてオランダと一緒にサッカーができることを楽しみにしている。まだ達成していないけれど、次の歴史的な大会に出場し、彼らをそこへ連れて行きたいと思っているよ。クラブにとっても、母国にとっても非常に厳しい、でも期待の持てる18ヶ月になるだろうね。

最後に、久しぶりにあなたの声を聞くことになるこの動画を見ているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

僕は順調だよ。精神的にも肉体的にも良い状態にいる。実は先日、Twitterにも投稿したのだけど、早くスタジアムでファンの姿を見られるのを楽しみにしている。試合にファンがいるのが当たり前だった数年前の試合を見ても、今はそれが当たり前だと思えないね。来シーズンのことを考えると、ファンの前で自分自身が再びプレーし、クラブや母国で成功を収めることができたら、それだけでワクワクする。それを達成できるようにしたい。僕は挑戦が好きで、今回の怪我は僕にとって大きな挑戦だった。挑戦すると常にプレッシャーを感じるが、それも仕事の一部だ。今はまだしも、またピッチに戻った時に、もっと楽しみたいと思うよ。ファンの皆さんに会うのが待ち遠しいし、ピッチに戻って、またファンの皆さんに誇りを持ってもらえるようにしたいと思ってるよ。それが楽しみだね。