ジョルジニオ・ワイナルドゥム選手は、6月末でリヴァプールとの契約を終了し、パリ・サンジェルマンへの移籍が決まった。

レッズで過ごした5年間で大きな成功を収め、クラブのレジェンドとしての地位を確立したミッドフィルダーは、2021-22シーズンを前にリーグ1サイドに移籍する。

2016年の夏にニューカッスル・ユナイテッドからアンフィールドにやってきたワイナルドゥム選手は、ユルゲン・クロップ監督のもとで常に存在感を放ち、4つの主要トロフィーを獲得するうえで多大な貢献を果たした。

リヴァプールでは主にセントラルミッドフィルダーのポジションでプレーし、237試合に出場、22ゴールを記録した。そのコントロール、テクニック、強さ、視野の広さ、そして高いボールキープ能力は、チームの成長だけでなく、最終的にはプレミアリーグやヨーロッパの大会で優勝するための土台となった。

このオランダ人MFは監督が必要とするときには、センターバックやストライカーとしても起用され、トレードマークの輝く笑顔とともにそのタスクをこなした。

ミドルズブラの守備をこじ開け、チャンピオンズリーグへの復帰がかかっていた試合での3-0の勝利を決定づけたのは、デビューシーズンの最終戦でワイナルドゥム選手がKopスタンド側で決めた力強いフィニッシュだった。

翌シーズンのヨーロピアンカップの決勝に向けた戦いでは、リヴァプールの全試合に出場した。スタディオ・オリンピコでは、アウェイゴールを決めてASローマを破り、ベスト4に進出した。

その後、キエフでのレアル・マドリード戦では望んでいた結果は得られなかったが、それでも背番号5とそのチームメイトたちは再び前を向き、2019年にはチャンピオンズリーグで優勝を果たした。

その大きな要因には、バルセロナとの準決勝セカンドレグで途中出場したワイナルドゥム選手の歴史的な活躍をしたことが挙げられる。

カンプノウでのファーストレグは3-0とされたなかでの試合、1-0で迎えたハーフタイムで、負傷したアンディ・ロバートソン選手に代わってワイナルドゥム選手が投入された。

投入からわずか11分、このMFは同点弾を決めただけでなく、Kopスタンドの前で2度もゴールネットを揺らした。2点目のゴールは正確なヘディングだった。

ワイナルドゥム選手のプレーが「Corner taken quickly」につながり、そのコーナーキックでディヴォック・オリギ選手の鮮烈なゴールが生まれた。4-0という勝利の結果、レッズはマドリードに乗り込み、トッテナム・ホットスパーを破ってビッグ・イヤーを掲げた。

同時に、リヴァプールはプレミアリーグのタイトル獲得まであと一歩のところまで迫ったものの、勝ち点97でマンチェスター・シティをかわすことは叶わなかった。

しかし、失望は決意に変わった。ワイナルドゥム選手は2019-2020シーズン38試合のうち37試合に出場し、クラブ記録となる99ポイントを積み重ね、チームメイトとともに首位でシーズンを終えた。

UEFAスーパーカップとFIFAクラブワールドカップのタイトルを獲得してからわずか13か月の間に4つ目のタイトルとなるプレミアリーグ優勝メダルがワイナルドゥム選手の首にかかった。

彼のアンフィールドでの最後のシーズンは、おそらく最も困難なものだった。このシーズンは、ほとんどの期間でサポーターがいない中でのプレーとなり、リヴァプールは相次ぐ長期の負傷に悩まされた。

しかし、ワイナルドゥム選手は終盤の追い上げに欠かせない存在となった。最終的にリーグ戦10試合で勝ち点26を獲得し、リーグ3位でチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。

ワイナルドゥム選手はリーグ戦全試合に出場し、そのうち34試合で先発した。

「この先後悔するであろう唯一のことは、タイトルや賞を置き土産にクラブを去ることができなかったことだ。最後にタイトルを獲れれば、自分にとっても、ファンにとっても、みんなにとっても良かっただろうけどね」と自身のレッズとしての最後の試合となった先月のクリスタル・パレス戦後に話した。この試合ではアンフィールドに終結した1万人のファンが見守るなか、感動的なガード・オブ・オナーを受けた。

「シーズン中の状況は誰もが知るところだ。本当に難しかった。ただ、どうやって状況を変えたかというと、さっき言ったように、数週間前にはチームが3位になってチャンピオンズリーグに出場できるなんてたくさんの人が予想していなかったと思う」

「これは良いことだ。僕が退団する前にリヴァプールをチャンピオンズリーグに連れて行くことができたし、総じてチームを良い順位に導くことができて良かった」

間違いなく控えめな表現だろう。

プレミアリーグ優勝。チャンピオンズリーグ優勝。FIFAクラブワールドカップ優勝。UEFAスーパーカップ優勝。まさにリヴァプールのレジェンドだ。

我々は、過去5年間のジニのクラブへの貢献に感謝するとともに、残りのキャリアでの幸運を祈っている。

 「誰も我々の思い出を奪うことはできない」とクロップ監督は話した。「思い出はいつまでも共有される。本当に素晴らしいことだ」