チャンピオンズリーグのFCポルト戦に臨むユルゲン・クロップ監督は、試合前日の記者会見でいくつかの話題に触れた。

グループリーグ第5節でアンフィールドにポルトガルのFCポルトを迎えるレッズは、開幕から4戦4勝でグループBの首位通過をすでに確定させている。

クロップ監督は現地時間火曜日の午後、試合前日の記者会見に出席し、記者からの質問に回答した。その内容を要約して以下に掲載する。

メンバー選考とアンディ・ロバートソン選手およびジョーダン・ヘンダーソン選手の状態について

大会のことは常にリスペクトしているが、まずは自分たちのことやスケジュール、選手たちの状況を考えなければならない」と、指揮官は現地時間火曜日に話した。ヘンドについては様子を見るつもりだ。昨日は100パーセントの状態ではなかったかもしれない。プレーはできるし、だいたいのことは問題ないが、本当に100パーセントの状態であるかどうかが問題だ。アーセナル戦で彼が出場したのは、試合を観察しつつ、多少コントロールするためという考えからだったが、リハビリの観点からしても必要なことだったために、その数分間は出場した。しかし、今は注視しなければならない。はっきりとしたことはわからない。

ロボ(アンディ・ロバートソン選手)も似たような状況だ。どちらの選手も問題ないが、今すぐにでもプレーできる状態なのか、これから先の試合のスケジュールに間に合うのか、ということだ。我々は2人について判断しなければならない。正直なところ、まだ決めていない。ご存知のとおり、この時期はメディカル部門がラインナップに大きな影響を与えるからね。だから様子を見るよ。けれども、明日の夜にどのようなラインナップになったとしても、試合に勝つこと、この試合に勝つこと、そして次の試合に勝つこと、それだけを考えている。そのために我々はここにいるんだ。

今回の対戦相手が最高レベルのモチベーションを持っていることは知っているし、それには主に2つの理由があるだろう。1つは、彼らが望んでいないような展開で我々がアウェイで勝利したこと。その一方で、ポルトは明日の夜の試合に勝てば、アトレティコとのグループリーグ最終節を戦うことができる。そうなることを望んでいるのは明らかだ。我々にとっては難しい試合になるだろう。アンフィールドにいる全員が最高の状態で臨めることを願っているよ。我々は明日、勝つために試合に臨むだけだからだ。これはチャンピオンズリーグだ。こういったことを当たり前だと思わず、誰もそう思っていないといいね。我々はチーム全体として、しっかりとした戦いをするための準備をしなければならない。今のところ、我々にはそれができると確信している。

試合に向けた準備の難しさ、そして選手全員がこれまでで最高の状態であるかどうかについて

2つ目の質問から答えよう。私はそうだとは思っていない。ゴールを決めるという意味ではおそらくそうだ。選手たちに高いクオリティー、欲望、そして冷酷さ、そういったものがすべて揃っているのは良いことだ。しかし、このレベルのフットボールではチャンスを作るのがとても難しく、こういうことを当然だとは思っていない。だが、得点することと失点しないことの間に、確かにリズムを見出さなければならない。もちろん、それは常にチャレンジであり、我々はそれを実行しようとしているが、これは継続的なプロセスなんだ。1つ目の質問の「準備は大変だったか?」に対する回答はNoだ。リヴァプールFCの監督として、また選手として契約を結んだ以上、すべての試合に勝たなければならない。毎試合、誰もが勝利を期待しているんだ。それは肩にのしかかるプレッシャーが大きいということで、明日の試合には勝たなくてもいいが勝ちたい、というささいな違いであり、正直なところそれがどういうことかを示すことができるだろう。(現在の状況のおかげで)自由にプレーができるようになっているとしても、守備への意欲やそういったものが変わりなく保たれることを本当に願っている。それらは明日わかることだろう。このクラブのチャンピオンズリーグの歴史のなかで私がチャンピオンズリーグに出て以来、我々はグループステージの最終節の最後の1秒まで戦い、なんとかグループリーグを突破することができてきた。それが唯一の違いであり、私の頭の中に特にそういうことはないが、ただそれが違っていることというのはわかっている。明日の夜、フットボールの試合に勝つことだけを考え、そして勝てることを願っている。

南野拓実選手について

彼は直近のここ数試合を日本代表としてプレーしたが、それはとても良いコンディションにあるからだ。クラブや代表の試合で先発したいときに、コンディションの良さは常にその後押しになる。彼は非常に調子がいい。それは我々も把握していたし、だからこそ我々にとって重要なんだ。アーセナル戦の試合前から、前線の5つのポジションでの選手交代の第一候補はタキ(南野拓実選手)だと思っていた。彼はどのポジションでもこなすことができるからだ。彼がピッチに立ってから40数秒でゴールを決めたのはまさしく素晴らしい瞬間だった。その瞬間から、ここ数か月で自信を深めた彼がいかに良い選手であるかを目の当たりにできたと思う。彼のことを本当に嬉しく思っている。彼は間違いなく出場機会を得るよ。

今回のメンバー選考において昨季のFCミッティラン戦のことが頭にあるかについて

あなたが座っている場所や、今の我々を評価している人たちが座っている場所から「誰々を外せ、誰々を外せ」と言うのはとても簡単なことだ。もっともそうするだけの選手数はいないが、我々はそのように言われる選手全員を外し、チャンピオンズリーグに出るようなチームではないメンバーで試合に臨み、そうすれば誰も怪我をしないだろう。最初の質問は、この大会の品位をどれだけリスペクトするかということだった。だから、椅子に座ってこういう質問をするのは、正直言ってとても簡単なことだ。我々は、フットボールの試合に勝つチャンスのあるチームをラインナップに揃えなければならない。ディオゴ(・ジョッタ選手)の件は非常にアンラッキーだったし、自分の判断も好きではなかった。しかし、また同じ決断をするだろうか? それが、私が答えるべき唯一の質問です。安定感が求められるため、答えはYesだ。あるメンバーでフットボールの試合をして、次の試合では試合に勝てないようなメンバーで試合をして、次はまたメンバーを戻すということはできない。選手にはリズムなども必要なんだ。だから、選手が怪我をしたという古い話を持ち出すのはフェアではないと思うね。誰にでも怪我をする可能性はある。明日の夜のラインナップで、誰かが怪我をしても気にしないという判断を私がするだろうか? いや、私にはできないし、するつもりもない。フットボールではこういうことが起こりうるし、明日は特に何も起こらないことを願っている。

タイラー・モートン選手の今季の成長について

明日の夜に何が起こるかはわからないが、タイラー・モートンの成長はかなり印象的だ。タイラーは、我々と一緒にプレシーズン全体を過ごした。プレシーズンでは、彼は我々と一緒にいた選手の1人ということだ。彼の巧みなスキルなどを見ることができた。しかし、いかにも真面目でよくできた若者という感じで、自信過剰になることはなかったと言っていい。彼はトップチームに少しずつ慣れようとしていて、その様子を見ることができた。試合では、目を見張るような活躍ではないにしろ、良いプレーをしてくれた。そして、ノリッジ戦では後半から出場して、正直言って素晴らしいプレーを披露してくれて、変化を生んでくれたんだ。次の日には、彼の自信が一夜にして溢れ出ていたのがわかったよ。ペップとヴィトルは以前から彼のことをよく知っていたからこそ、彼はプレシーズンに帯同したんだ。しかし、私はその試合ののちに、初めて本当の「タイラー・モートン・2021」を見たね。プレストン戦では、明らかに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれて、とても成熟した様子だった。そういうのをまたトレーニングで見られるんだ。若い選手を育成するとはそういうものだ。本当に良い例だと思う。若い選手についてたくさん語ることができるし、我々と一緒に練習させることもできるが、適切なタイミングで試合に出すことが、彼らにできることのなかで最も大きな影響を与える。タイラーはその良い例だ。彼は今良いところにいて、きっと同じアンサーで返してくれるだろう。ここからが見ものだよ。