南野拓実選手が圧巻の2ゴールを見せたリヴァプールがノリッジ・シティを2-1で破り、エミレーツFAカップの準々決勝に駒を進めた。

3日前にウェンブリーでカラバオカップを掲げたばかりのレッズは、前半のうちに日本代表FWが2ゴールを沈めると、76分のルーカス・ルップ選手が決めた追撃弾をかわし、FAカップでの勝利を手にした。

現地時間木曜日の夜に行われるベスト8の抽選会で次のラウンドの対戦相手が決定する。

チームニュース

ウェンブリーで行われたカラバオカップ決勝で先発したメンバーからジョーダン・ヘンダーソン選手のみを残し、監督は残りの10名のスタメンを変更した。

リヴァプール:アリソン、ミルナー、コナテ、ゴメス、ツィミカス、ヘンダーソン(61分:モートン)、オックスレイド=チェンバレン(46分:エリオット)、南野、ジョッタ(83分:マネ)、オリギ(83分:ディアス)

サブ(出場なし):アドリアン、ケレハー、ロバートソン、マティプ、ブレッドリー

前半

厳しい寒さのアンフィールドにカラバオカップの新たな優勝チームが入場し、チームもファンもFAカップのタイトルに向けた戦いに気持ちを切り替える。

序盤はテンポよく試合が進むと、9分にはカーティス・ジョーンズ選手が2020年の年始に決めたマージーサイド・ダービーでのゴールを再現するかのようなシュートを放ったが、惜しくも得点とはならなかった。

左サイドボックスの外側から自らシュートスペースを作ると、ゴール右隅に向かって巻くような軌道のシュートを放ったが、ボールは枠内に沈み切らないままクロスバーをかすめた。

テーム・プッキ選手は、角度のない場所からゴールを狙った。ジェームス・ミルナー選手がボールへとチャレンジすると、右サイドのプッキ選手のもとへとボールがこぼれる。このフォワードはそのままシュートを打ったがファーサイドに外れていった。

しかし、試合はリヴァプールが支配しており、27分にはリードを奪う。

南野選手とヘンダーソン選手の右サイドから左サイドにボールが動くと、ボールを受けたツィミカス選手がエリア内にクラスを送る。ディボック・オリギ選手がそれを足元でコントロールすると、カナリーズのディフェンス陣がシュートを警戒するなか、落ち着いて南野選手にボールを渡す。その日本代表FWはワンタッチからGKティム・クルル選手が守るゴールに強烈な一撃を放ち、ゴールネットを揺らした。

さらに前半終了6分前、南野選手は同じような角度でありながらも、1点目以上に印象的なゴールを決め、リヴァプールのリードを広げた。

この得点のスタートもやはりツィミカス選手だった。ギリシャ代表DFが蹴った左サイドからのコーナーキックは、一度はノリッジに弾かれてしまうも、セカンドボールを拾った南野選手がすぐに右足を振り抜き、ニアサイドの上隅にシュートを突き刺した。

後半

後半の頭からレッズはジョーンズ選手に代えてハーヴェイ・エリオット選手を投入した。しかし、後半の最初に脅威を与えたのはカナリーズの交代選手だった。

プッキ選手がピッチ中央付近から反転するようにスルーパスを出すと、ジョシュ・サージェント選手が反応し、ゴールに迫る。そのままシュートを打たれるもアリソン・ベッカーのポジショニングの良さもあって枠には飛ばなかった。

アレックス・オックスレイド=チェンバレン選手がエリア手前からシュートを放ったほか、ヘンダーソン選手もシュートを打ったがいずれも外れてしまった。

ディオゴ・ジョッタ選手がノリッジの攻撃をかわして、ゴール前に飛び込んだ。最終的にボールはベン・ギブソン選手の腕に当たったように見えたが、レフェリーはPKをとる素振りを見せなかった。

南野選手とエリオット選手が右サイドで見事なコンビネーションを見せると、エリオット選手がファーサイドへ見事なクロスを上げたが、ジョッタ選手のヘディングは枠を外れてしまった。

そして、このまま試合終了かと思われた76分、相手チームに点差を縮められてしまう。サージェント選手が中央のスペースに走り込んだルップ選手にパスを出すと、ルップ選手はゴール左にシュートを突き刺し、ノリッジに希望を与えた。

アリソン選手は、ジョナサン・ロウ選手の強烈なシュートをなんとか防ぐことに成功する。そのままレッズはリードを保ったまま試合終了のホイッスルを迎え、FAカップの準々決勝に進出した。