パリで行われたチャンピオンズリーグ・決勝での出来事について - リヴァプールFC

・リヴァプールFCは、パリで開催されたUEFAチャンピオンズリーグ決勝での出来事に関して公表された報告書の内容を歓迎いたします。この報告書では、リヴァプールファンの行動にまったく落ち度がなかったことが立証され、UEFAの組織的なミス、安全やセキュリティ面での統率力の欠如および監督不足、緊急時の対応における計画不足があったと結論づけられています。

・証拠に基づいた調査委員会による報告書では、「致命的な混乱により、明らかに大惨事になりかねない状況まで危険が差し迫っていた」こと、そして、リヴァプールファンの起こした行動がそれぞれの命を救ったことが記されています。

・調査委によると、2つの大きな組織的ミスがあったことが報告されています。ひとつ目は、安全やセキュリティ面での統率力の欠如や監督不足など、決勝戦を開催するにあたってのUEFAの規範が不完全であったこと。ふたつ目は、LFCサポーターが公的秩序に重大な脅威をもたらすという誤った想定に基づく警備措置により、欧州評議会による条約で定められている安全、セキュリティ、およびサービスに関するモデルが無視されたことです。

・リヴァプールFCは、8ヶ月以上にわたり事実解明に尽力してくださった調査委の方々に感謝の意を示すとともに、UEFAに対しては、彼らの管轄する試合へ足を運ぶすべてのサポーターの安全性を確保するためにも、21つの重要な提言を透明性のある完全なかたちで遂行することを要請します。

現地時間昨夜、UEFAは、パリで直面した出来事について、独立調査委員会による報告書を発表しました。また、ここに至るまでに、リヴァプールFCは、UEFAを含むフットボールの規制体系の頂点に立つ組織が協力し、前向きかつ透明性を持った行動で今回のような「危うい事態」を防ぐよう主張してきました。

我々は、すべてのUEFAの試合において、いかに困難であろうとも、サポーターの安全性の確保が最優先事項となるべく、UEFAが、調査委が示したように、提言を完璧に履行することを強く求めます。

スタッド・ドゥ・フランスにてチャンピオンズリーグ決勝が行われた夜、試合開始時間の延期が発表される以前から、我々はUEFA上層部に試合開始を遅らせ、スタジアム外で発生している混乱に対処するよう要請しました。また、我々は事実を確かなものにするため、UEFAに対し完全に独立した透明性のある調査を開始するよう求めていました。

リヴァプールとレアル・マドリード両クラブのサポーターがなぜ危険に晒される状況に陥らなければならなかったのかを解明する必要があり、我々は欧州におけるフットボールサポーターの安全性が脅かされる事態が二度と生じないよう確固たる調査を行うよう固く決意しました。

後に誤りであると立証されたものの、ショッキングな誤情報がパリでの出来事の直後に流布されました。2022年7月に公表されたフランス元老院の報告書では、組織的な失敗から注意を逸らすために、不当かつ誤ってリヴァプールサポーターが当時の混乱に対して非難されたと記されています。また、改善のために元老院が行った15の提言に関して、現時点では何の対応もされていません。

さらに、極めて権威のある犯罪学者、研究者、かつ作家であるフィル・クレイトン教授により、約500件の目撃証言を用いた160ページにも及ぶ報告書が発表され、UEFAは責任を果たす過程で完全に失敗したと結論づけられました。

ヒルズバラの悲劇から30年以上が経過した現在においても、クラブやサポーターがこれほど多くの人々に悲惨な影響を与えた基本的な安全上の不手際に直面したことを遺憾に思います。また、より懸念すべきであるのは、今回のパリでの出来事がヒルズバラの悲劇の遺族や犠牲者の友人、生存者の方々にさらなる苦痛を与えるということです。リヴァプールFCは、今回の出来事により苦痛を感じた方々に寄り添い、パリでのUEFAチャンピオンズリーグ決勝の直後よりメンタルヘルスサポートを行っています。

誇りある歴史を有する欧州のフットボールクラブとして、我々リヴァプールFCは、UEFA主催の試合へ足を運ぶすべてのサポーターの安全性を確保するため、UEFAに対し、21の提言の履行および適切な対応を求めます。