リヴァプールFCの最高経営責任者就任にあたり、ビリー・ホーガンが自身の誇りと目標を語った。

3年に渡るピーター・ムーア氏の在任期間を経て、ホーガンは正式にそのポジションを引き継いだ。CEOとしての初日に、ホーガンはビデオ通話でLiverpoolfc.comのインタビューに応じ、自身とクラブの将来の計画について語った。

以下でインタビューの全文を読むことができます。また、LFCTV GOでもご覧になれます。

新しい役職での初日でした。リヴァプール・フットボール・クラブの最高経営責任者に就任した感想を教えてください。

ありがとう。正直、これは非常に名誉なことだ。私は2010年以来、フェンウェイ・スポーツ・グループの買収担当チームの一員としてこのクラブと関わりながら働いている。2012年からはクラブで働くことができて光栄に思っている。この8年間は驚くべきもので、明らかにかなりの進展を遂げてきた。FSGが参入した当初は困難な状況の中にあったが、この10年間で驚くほどの好転を遂げることができた。正直なところ、ピッチの外で毎日一緒に仕事をしてきたチームとまた一緒に仕事ができること、そして取り組んできたことを継続できることを光栄に思う。ユルゲンやマイケルをサポートしたり、クラブに資源を提供したりする仕事をこれまで続けてきた。ここで言いたいことのひとつは、ピーターへの感謝だ。それは彼がクラブに尽力してくれた3年間に限らない。彼と私は、実は長い付き合いで、同僚でありながら友人でもあるというのは素晴らしいことだ。先月だったか、この引き継ぎの際も彼は素晴らしかった。彼には最大級の感謝を送りたい。先ほども言ったように、この役職を受け継ぐことに本当に興奮しているし、とても光栄に思っている。

新しい役職就任にあたり、当面の優先事項を何だと考えていますか?

そうだね、我々の当面の最優先事項は、いかにしてサポーターをアンフィールドに戻すかということだ。パンデミックが蔓延している現状は先が見通せず、ビジネスの観点から見ても、世界中のあらゆるビジネスにとっても、そしてクラブとしての我々にとっても、非常に厳しいものだ。だから我々は今、懸命に仕事をしている。政府の指導を受けつつ、プレミアリーグの各クラブと協力していかなければならない。どのように取り組んでいくかについては皆さんの見えないところでも多くのことが動いている。それに加えて、これまでと同じように事業を継続していくことを考える必要があると考える。ご存知の方も多いと思うが、持続可能なビジネス、持続可能なクラブを作るということをスローガンに据えている。ここ2、3シーズン、特に今シーズンはピッチでの成功を手にし、我々は素晴らしいポジションにいる。我々は信じられないほど強固な基盤を手に入れたが、今は先が不透明な時だ。そうした時期をなんとか乗り切らなければならない。ロックダウンに入ってからの5、6か月間こそ大変だったが、そのような状況の最中でもチームがピッチ内外で活動できたのは素晴らしいことだと思う。我々はチャンピオンとしてシーズンの開幕を楽しみにしている。今の私の仕事はビジネスをリードし、ユルゲンとマイケル、そしてメルウッドでのチームを全力でサポートすることだ。

リヴァプール・フットボール・クラブの今後のビジョンを教えてください。

ここはリヴァプール・フットボール・クラブだ。だからこそトロフィーの獲得にこだわることが究極のビジョンになるだろう。私は10年間クラブに関わり、8年間クラブのためにフルタイムで働いてきた。本当に重要なのはいかにして持続可能な組織を作るかということだ。私の役割は、ピッチ外で信じられないほど才能のある人の集団と働きながら彼らをリードし、ピッチ内でのサポートをすることだ。このビジョンは変わらない。我々は多くのトロフィーを獲得したい。ユルゲンとチームがここ数シーズンで成し遂げてきた信じられないほどの成功を継続していきたい。そしてこの成果をさらに大きくしていきたいと思っている。

あなた自身、そしてこのクラブが直面している最大の課題は何だと考えていますか?

現在は明らかに、パンデミックの影響で現状すら見通せない状況だ。先ほども言ったが、パンデミックは世界規模であらゆる人々に影響を与えている。私たちも例外ではない。直ちに影響が出るであろうことは、先ほども言ったようにサポーターに関わる部分だ。つまり、サポーターをアンフィールドに再び呼べるようにすることにあると思う。アンフィールドでの試合開催日の体験は他のどことも違うものだ。実際に経験したことのある人はみんなこの意味がわかるだろう。そしてまだアンフィールドに訪れたことがない方もいつの日か、3月の中旬まで我々がいた場所に来ていただけることを願う。今は、そのためにはどうすればいいのか、そして最も重要なことだが、どうすれば安全に開催できるのかを考え、多くの作業が行われている。そのためにも素晴らしい人々からなるチームが裏側でもこのような課題に取り組んでいる。政府の規制やプレミアリーグとの連携など、様々な課題を解決していかなければならない。もうひとつの課題に、このプロセスを通じてサポーターとの関わりを深めるための努力を惜しまないことがある。ここ数週間、我々はファンフォーラムやオンラインアンケートを通じて、アンフィールドに戻るための課題についてサポーターと話し合ってきた。いわゆる試合開催日の体験を考えれば、劇的に変わることもあるだろう。アクセスや出入口、会場内での座席など、すべてが変わってくる。なので、どうやってアンフィールドに観客を入場させるか、どうやって退場させるか、実際に何枚のチケットを売らなければならないのか、そしてチケット販売のプロセスをどうするかということを検討している。これは目に見えて大きな課題だ。10月中になることを望んでいるが、その日にちについては議論がなされている。ただ、それはほんの数週間先のことだ。しかし、裏方として働いているチームは、信じられないほど素晴らしい仕事をしてくれていて、この課題に立ち向かってくれることも知っている。これがおそらく目下最大の課題であり、ウイルスが生み出す不透明な環境での現状だ。

CEO就任後はどこに拠点を置く予定ですか?

今のところ、私は他の人たちと同じように自宅を拠点にしている。この8年間、クラブのためにフルタイムで働いてきた。実際には、2012年から2014年までの最初の2年間はボストンを拠点に仕事をしていたから、実際には月に2、3週間はリヴァプールで、2 、3週間はボストンで過ごしていた。それから2014年に私は家族と一緒にイギリスに渡った。私はロンドンとリヴァプールのオフィスの間に拠点を置いている。毎週リヴァプールにいるし、試合にも訪れている。安全な時期になればすぐにでもそのようにしたい。しかし、この20週間ほどの間に、我々はクラブ全体で自宅から仕事をしてきた。3月13日までにはクラブのほぼ全職員が自宅で仕事をしていた。皆が直ちにその働き方に対応できたのは素晴らしかった。今後は、率直に言って、我々全員がどのように働くかという点で、柔軟な働き方とは何かということを考えていくことになると思う。しかし、仕事が安全にできるようになれば、私はリヴァプールとロンドンを行ったり来たりすることになるだろう。

スーザン・ブラックがリヴァプールFCウィメンの新エグゼクティブディレクターに就任することが決まりました。これについて一言お願いします。

そうですね、ピーターがその業務を務めていたので、穴埋めの必要がある役職だった。他の責務に加えて、彼女がそれを引き受けることに同意してくれたのは喜ばしいことだ。昨シーズンは監督のヴィッキーとチームにとって難しいシーズンだったのは明らかだ。残念ながら降格という結果になり、シーズン自体も短くなってしまった。しかし、今の我々の仕事は、ヴィッキーとチームが再びスーパーリーグに昇格できるようにサポートすることだ。私は、フェンウェイ・スポーツ・グループの社長であるマイク・ゴードンとスーザンのように関わりながら、全員が女子チームのディレクターになる。スーザンは彼女の他の責務に加えて、日々の業務を引き受けることになる。もちろん、週末のダラム・ウィメン戦でのヴィッキーとチームの始動を楽しみにしている。成功に満ちたシーズンになることを願っている。

新しい役職に就いた初日ですが、サポーターの皆さまへメッセージをお願いします。

ここは素晴らしいフットボール・クラブだ。リヴァプールで働き始めたときから、ファンのスケールと規模、そして彼らの情熱に圧倒されてきたし、このフットボール・クラブで働く人々の信じられないほどの情熱にも驚いている。ここまでの8年間でいくつかの困難な時期を経験してきたけれど、今ではピッチ上での素晴らしい成功を経験している。私の目標はそれを可能な限り継続していくことだ。我々はトロフィーを追い求め続ける。それこそ我々が注力していることだ。フットボール・クラブが地域社会にとってどれだけ重要な存在であるかということも重要だと思う。私は8年間、財団の役員も務めてきた。財団とRed Neighboursプログラムは、リヴァプールとその周辺、そして世界規模で活動していて本当に感銘を受けたよ。それに、オーウェン・マクヴェイ財団、アルダーヘイ、ゾーイズ・プレイスなどの地元の慈善団体とも協力してきた。フードバンクではサポーターとも一緒に活動してきている。パンデミックの影響で非常に困難な時期にあるが、ピッチ外でのビジネスを継続してくことでユルゲンやマイケル、ピッチでの活動をサポートし、ピッチでの成功を追求することを私は本当に重視している。ピッチの外での地域社会におけるクラブの役割の重要性も追求していくよ。これからの厳しい時期においてはピッチ外でも地域社会をサポートしていきたいと思っている。だからこの役割を担うことについて、私は本当に興奮しているよ。まだ初日だからね、これからが楽しみだ。